水市先生×小木先生対談2

2009年06月24日

どもです山田です。前回のつづきです。


水市: 『その彼』にはヒロイン候補が三人いますよね。ソフィア、とも実、弥宵と、どのキャラも魅力的ですが、水市は弥宵お姉ちゃん派です(笑)。小木さん自身で思い入れのあるキャラクターは誰ですか?

小木: 一番を選ぶのは、う~ん、難しいですね。実は主人公の鋼一が最終的に誰とくっつくか、決めないで書き始めました。ほんとはこんな書き方しちゃいけないんでしょうけど(笑)。少なくとも最初は、全員メインヒロインのつもりで書いてました。
ただ、とも実と弥宵は、僕自身の性格や思考をわりと強く反映したキャラなのですが、ソフィアは、僕の理想や憧れに深く影響されているキャラになりました。なので、敢えて言うならやはりソフィアですね。

水市: なるほど。ソフィアの境遇にも、感じ入るところがありました。日本人ばかりの中に、一人だけ異質な彼女。孤独な彼女の心境をすごく丁寧に書いてるなー、と思いました。

小木: ありがとうございます。僕が小説を書いていて一番楽しいのは、キャラの心情を書いている瞬間なんです。だからそういうシーンは、かなり力を入れて丁寧に書いちゃいますね。
ただ、調子に乗って、あまり重要ではない脇役キャラの心情まで細かく書き込んでしまったりして――反省しなきゃとは思うんですが、気をつけないとついやっちゃうんです(笑)。

水市: いや、水市は好きですねー、そういうの。全キャラが「活きてる」って感じがして、良いと思います。水市も主人公サイドより脇役や悪役を綿密に書き込んだりとか、常習犯です(笑)。
『その彼』を見ていても、会話が活き活きとしているなー、と感じます。とても心温まる雰囲気で好きですね。こういった会話は、何か実体験に基づくようなところはありますか?

小木: ありがとうございます。そうですね、僕は小学校の低学年の頃、友達が女の子しかいなくて――これは自慢というより、その頃の僕の頭が女の子っぽかったからだと思うのですが――学校が終わると、しょっちゅう女の子の家に行って遊んでました。そのときの体験が、ソフィアたちの台詞に出ているかもしれません。

水市: あれ、何だろう、水市の目から汗が、汗が。さておき、実体験が活きていて良いですねー。そうか、このソフィアのシーンもそういうことだったのかぁ……。これはちょっと羨んでも良いですか?(笑)

小木: あははは……、今思うと、あれが俗にいう「モテ期」というものだったんですかねぇ。でも、モテてもなかったような気がします。普通にただのお友達だったような。
でも女の子の友達しかいなかったせいか、その後、男の子とどうやって友達になればいいかがわかりませんでしたね。そのせいで……いや、ちょっと暗い話になりそうなので、やめておきます(笑)。

水市: 小説家には(小説家に限った話ではないでしょうが)誰にでもそういう暗い過去があるものなのです。水市、安心して少し落ち着きを取り戻しました(笑)。
話をソフィアに戻しますけど、小木さんは実際にハーフのお友達がいたりしましたか?

小木: ソフィアには実在のモデルがいるんです。確か小五の頃に、僕のいるクラスに転入してきたんですよ。まさにスウェーデンから。
でも、お友達にはなれませんでした。その頃になるとさすがに女の子を異性として意識するようになってまして、話しかけることもできなかったです。だから彼女のことで覚えていることは、そんなにないですね。
ただ、クラスの男子にちょっかい出されたり、からかわれたりしても、真っ向から受けて立つ強い女の子でした。そういうところはまさにソフィアの性格に受け継がれています。
(続く)

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