『され竜DD 3巻』、さらに、発売せまる!!!

2008年09月14日

担当「シャイな浅井さんに、新作3巻について引き続き語っていただきましょう」
浅井「シャイって凄い単語が出ましたね。古代セム語かアラム語ですか?」
担当「日本語で新作のストーリー面の話をしていきましょう」
浅井「なんか売れそうな嘘ストーリーを語っていけばいいんですよ」
担当「嘘はさすがにダメです。今回のストーリーとしては、エリダナに現れた古き巨人と謎の指輪の争奪戦が開幕し、ピエゾ連邦共和国という小国の民族と経済問題が出てきますね。さらに格差社会や労働者たちが絡んできて、巨大で重いテーマの話ですね」
浅井「私たちが生きている世界がそんな感じですから。要素は違っても、他の世界も似たような感じになるのではないですかね」
担当「そんな現実との地続き感がある『され竜DD』だから、既存の物語に飽き足らない読者に支持されるんだと思います!」
浅井「ははは、そんなマニア読者ばかりではなく、広く受け入れられる話ですよ。……と自分で言っていて悲しいですが」
担当「作中のウコウト大陸各国で事件が起こって、翼将に特殊部隊も参戦し、もう一大バトルですね」
浅井「新作ということで今までの人物の再紹介という面もありますから、とにかく多く人を出して派手にしました」
担当「DDでは初登場の翼将たちも参戦し、派手ですね。翼将ファンは必読ですよ! 古き巨人たちも負けず劣らず強力です! 忠義だったり邪悪だったり、キャラたちが暴れまくっています!」
浅井「それぞれに表向きの理由と裏の理由があるといった感じです」
担当「まさに『され竜DD』といった複雑な話です」
浅井「複雑な話でもないですよ。現実よりは分かりやすいですし、また分かりやすく書くということも大事なのでしょうね」
担当「というと?」
浅井「基本的に物語はモデルだと思っています。モデルというものは、本質的なものだけを強調して抜きだし、あとは捨てる作業で、抽象と捨象による仮説と言ったほうがいいですかね。分かりやすい例としては、数学でいう方程式などを見れば、モデルという概念をイメージしやすいかと思います」
担当「なるほど」
浅井「モデルは数学で生まれ物理学で発展し、自然科学の世界ではごく普通になり、経済などの人文科学に向かいました。物語は、作中の現実という世界における人物や事件という変数を、ストーリーという符号でつなぎ、エンディングという最終解にたどりつくので、一種のモデルだと思っています」
担当「物語が方程式のようなモデルと捉えるのは、浅井さんらしい考え方ですね」
浅井「人文科学の人ならそんな感じらしいですよ。話を戻すと、現実という総体そのものが難解なので、モデルである物語もある程度は複雑になるかと思います。熱い言葉で簡単に言いきることは気持ちいいでしょうけど、本当は歴史上の偉人にも言い切れない。だから分かりやすくしようとすると、逆に分かりにくくなるというと ころがあると思います」
担当「あー、○○とは○○だと言い切る対象としては、社会や世界は大きすぎるということですね。それはひとつの現実である物語の社会や世界も同じということですね」
浅井「ええ、こう言っておけば複雑で膨大な、まぁめんどくさい話もある程度納得してもらえるかと思います。ああ、長い言い訳でした」
担当「結局言い訳になるところが浅井さんらしいですね」
浅井「人を説得する技術だと言ってください。先ほどから私らしさが負の方向でしか発見されていないのは、どういうことなんでしょうか」
担当「浅井さんらしさもシャイだから、あまり出ないのです! そういえば執筆中に驚いたことがあるとか」
浅井「鼻毛カッターは凄いんですよ。一回使うと鼻の中が新世界です」
担当「そういう驚きは聞きたくありません」
浅井「書いている最中、北京オリンピックの時期にロシアのグルジア侵攻があったことですね。今回の話と条件と情勢が少し似ていたもので『うわーどーなるのだろう』と思って見ていました」
担当「たしか角川書店版2巻の準備のときも、アメリカ主導のイラク戦争の最中でしたね」
浅井「2巻はアフガン戦争とイラク戦争をモデルにしていたのですが、見ていて『うわーどーなるのだろう』と思っていました」
担当「浅井さんが書くから戦争が起こるのでは?」
浅井「戦争の原因みたいに言わないでください。そこは現実の社会を追いかけていると事態が重なることもある、と言ってください」
担当「物語には大きく経済が絡んできますね」
浅井「今回の本も原油高の影響で紙とインク代が安いうちに出そうという話があったくらいですからね」
担当「そういう裏事情まで話に絡めなくても」
浅井「単に現実の問題を順番にやっているだけですよ。ライトノベルというジャンルで、近代資本主義とその社会を扱ったものがないようなので、今回は順番でニッチ産業をやってみてもいいかな~と」
担当「近代資本主義というと難しい話ですね」
浅井「専門的なことは専門家に任せますが、大掴みとして、近代資本主義という思考は、ほとんどの現代人に感染しているウイルスのようなものです」
担当「私も支配されています?」
浅井「ええ、支配というよりほとんどの人が無意識に実行していますよ。たとえば、現代日本では働かなくても、飢え死にすることは少ないです。しかし、飢え死にしなくても、無職をいけないことだと感じるはずです。南の島の人なら、そんなことは考えませんから、これは近代資本主義、労働とは基本的に良きものであるという 思考です。あくまでヴェーバー説ですが」
担当「作中でも経済と経済を支える人々の思考が重要なテーマになっていますね」
浅井「私たちが生きている世界を、新自由主義、ネオリベラリズムやさらにリバタリアニズムが覆っているということはどういうことか。時給のアルバイト、派遣労働者であるということはどういうことか。ま、そんなことは気にせずに娯楽として消費してもらえればいいかと思います」
担当「萌えや燃えが全盛の時代になにやっているんですかね」
浅井「私が知るわけないですよ。基本的にニッチ産業として細々とやっていくだけですよ」
担当「なにを言っているんですか! 現実に対するこれ以上ないくらい誠実な認識から出た、超ど真ん中の堂々エンタテインメントですよ!」
浅井「まぁ、物語としてはそうですね。そう信じることにします」
担当「ではさらに次回へ!」
浅井「わりと今回は無理して話したので、もう話すことがないですよ?」
担当「まだまだ続きます!」
           
ということで、この続きは、GAGAGAWIRE内され竜DD特設サイトのコラムコーナーに掲載!

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